No.108
    2008.07
                                                                                           

秀句奨選




        岩清水ぐいぐい飲んで妊れり    阿久津武雄 
       
      八月を飛べない鳥が走るかな     阿部 仁郎 
 
            飲んでゐる四万六千日くずれ     宮田 籐仔 

        わが影の中より抜けて裸の子     高橋  碧 
 
          唐突な出会いと蛇も思いけり     大久保九紫 
  
          抽斗の紐噛んでゐる暑気中り     福井 貞子 
                  
              二百十日潜水艦のようにゐる      安倍 泰子 
                  
               献体として現し世に凍えをり       木本 晴夫 
                    
                       縄梯子かけて神様いなくなる      助田 素水                
                      
                        蛍くる人なら三人くらいかな     武田 伸一 

                  征くひとに嫁して生涯桐の花     田村 勝実 

                大根を真二つに切るのう他人     富田 敏子 
                    
              夏座敷兵のかたちの影とゐる    鈴木きぬ絵 

           夕焼けや人の数だけある故郷    植村立南子 
               
       空蝉にちから加わる日の盛り    伊藤 政美