No.107
    2008.06
                                                                                           

秀句奨選




        竹槍の竹切ってみな消えた夏    宮崎 吉香 
       
      柿の木に梯子の掛かる本籍地     池上 拓哉 
 
            嫁に来て水盗むこと覚えたり     清水 志郎 

        穴を出てすぐ神になる村の蛇     吉田さかえ 
 
          広島忌父より大きな靴を干す     末次  正 
  
          送り火やハプアの島に父帰す     石黒 茂雄 
                  
              蕗を煮る男の仔細知りつくし      白地 恭子 
                  
               方言は日傘の中で濃くなれり       波多江敦子 
                    
                       八月の空あるかぎり兄がいる      安部 康子                
                      
                        番犬に青柿落つることもあり     田中 妙子 

                  菜の花の湿りずしりと新聞紙     玉記久美子 

                奥の院から豊満なかたつむり     金子  功 
                    
              終戦日眠っていれば石になる    大村 玉兎 

           夕立の脚よく見えていた昭和    山崎 佳子 
               
       仕切りやの頭の中の月あかり    近  三津子