No.105
2008.04
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春愁のゴリラの前の乳母車 溝次 尚子
廃船や春月洗いざらしなり 佐々木隆治
田を植えて家の中まで漣す 渡部 純
渾身に海を抑えて浮輪の子 増田みよ子
花の冷え石工石の脈さぐる 和田 謹次
石段が死ぬほどあって氷旗 下庄 豊子
大壷に炎の舐めし跡鵙猛る 吉田 輝二
青年は銃身に似て夜の新樹 吉岡佐賀栄
午後からは蛍袋の中にいる 宮田喜代女
卒業の空をきれいに包装す 柳谷 昌
繃帯のような雲湧く広島忌 田中十九三
人間を見飽きて沈む水中花 木島 静子
白桃や家の中にも波打ち際 大坪 重治
蚊を叩く掌大き過ぎまいか 樽谷 俊彦
花冷や突き立ててある畳針 中川 順友
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