No.102
    2008.01
                                                                                           

秀句奨選




        身にまとふものの一つに虫の闇    高橋 康夫 
       
      神になるまでのがやがや根深汁    永田タエ子 
 
            ふわふわと大蛇畳まれ神楽果つ     鈴木 英二 

        葉桜というバス停でみな降りる     富田 敏子 
 
          寝返りを打って銀河へ近づきぬ     油津 雨休 
  
          午睡より深きところを海という      熊谷 山里 
                  
              夕焼けの裏まで捜すかくれんぼ       松田 都青 
                  
               おてだまに父の釦も入れてある        告下 春一 
                    
                       鍵などはいらぬガラスの国は秋         行川 行人                
                      
                         蛍袋のなかで電話が鳴っている          佐藤 正賢 

                  若葉風入れてオムレツ膨らます       有馬 英子 

                曼珠沙華ダムの底より径が来て       星  水彦 
                    
             ここからは自己流でゆく鉄砲水        山口木浦木 

          折り鶴と毛虫のあいだ今日も雨         鎌倉 佐弓 
               
      自画像のキキは乳房の上に薔薇        時広 智里